県立病院の経営改善を求める決議に反対 ー12月県議会報告②

県立病院の経営改善を求める決議に反対 ー12月県議会報告②

12月定例県議会に自民党から提出された「県立病院の組織及び経営の改善を求める決議」に公明党は反対しました。県議会の運営や各種選挙でも協力し合う「友党」の自民党から提出された決議ですが、この決議には異なる判断をしました。

問題になったのは、県立小児医療センターの診療報酬請求ミスで約2,900万円の損失が発生した事案への県の対応です。県は請求事務を怠った当時の男性職員に損失の半分の負担を求め、残り半分は県職員による任意の募金で賄うことにしました。決議はこうした県の対応について「自らの責任を棚に上げている」などと非難し、当該職員への請求の中止や募金の返還などを求めています(全文はこちら)。

公明党は、県の対応はやむを得ないものと考えます。特に、当該男性職員は一般事務職として採用されたのではなく、診療報酬請求事務を専門に行うために採用されたのに、こうした事態を引き起こしました。単なる過失というより悪質性が高く、損害賠償もやむを得ません。また、職員の募金を返金せよといっても個々にいくら募金したのかを証明するものはなく、返金は事実上不可能です。

診療報酬請求事務でこうした事故を引き起こさないような改善策を求めることは議会としてもあっていいと考えますが、決議として、既に行われた賠償請求をやめさせたり、募金の返金まで求めることは「やり過ぎ」だと思います。

「決議」とは議会がその意思を示すために行うもので、不信任決議以外は法的な拘束力はありませんが、特に本会議での決議は政治的な意味が大きいと考えます。本件は決議にはふさわしくないものとして、公明党は反対しました。

なお、本決議は公明、民進、県民会議、共産が反対しましたが、自民、改革の会の賛成多数で可決されました。

落ち葉堆肥農法 日本農業遺産認定記念式典

代表の農家が実践農家の認定証を受けました

26日午後に川越市内で行われた「武蔵野の落ち葉堆肥方法 日本農業遺産認定記念式典」に出席しました。

落ち葉堆肥農法は所沢市、三芳町、川越市、ふじみ野市の3市1町にまたがる三富地域に江戸時代から伝わる農法で、人の手で育てた雑木林の落ち葉を堆肥に使い、土壌改良を行う農法です。化学肥料の普及とともに、手間のかかる落ち葉堆肥農法を実践する農家が減少してきましたが、「落ち葉堆肥でつくった土から採れる農作物は違う」とも言われています。

今年6月に日本農業遺産に認定され、式典では3市1町の59名の農家が実践農業者として認定表彰されました。合わせて記念講演やシンポジウムも行われ、落ち葉堆肥農法の現代的意義などについても再認識することができました。また、地域の大切な財産でもある落ち葉堆肥農法が今後も受け継がれ、発展していくように行政としてできる限りの支援をしていくべきと思いました。

原発再稼働を求める意見書に反対 -12月県議会報告➀

12月定例県議会で審議された意見書の中で「原発再稼働を求める意見書(正式名称は『世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書』)」に対して公明党は反対をしました。

この意見書は、我が国のエネルギー政策の基本として、安全性を前提とした上で、第一に安定供給、次いで経済効率性と環境適合などの点で原子力発電所の稼働が欠かせないと指摘。その上で、厳しい規制基準に適合した原発の再稼働を進めるよう国に要望する内容です(全文はこちら)。

現在の政府方針もこの意見書と同じと思われるので、特に反対する理由はないようにも感じます。しかし、あえて埼玉県議会から国に対して原発再稼働を求めるのはいかがなものでしょうか。公明党は福島原発事故以来、「原発ゼロの社会へ」を基本政策に掲げています。そのスタンスからすれば、国に求めるべきことは、原発を再稼働しなくて済むようなエネルギー供給体制・社会を一日も早くつくるべきということだと思います。

公明党が政権に参画している以上、閣内にいる公明党議員が政府方針と異なる意見を表明するのは許されませんが、党は別です。自民党の河野外務大臣も党内にいる時は原発反対を訴えています。公明党中央も原発再稼働は好ましくはないが、政権に参画している以上、最低限は認めざるを得ないというのが、そのスタンスだと私は理解しています。

その意味でも、原発再稼働を地方から国へ積極的に求めるのは、わが党のスタンスとは異なると判断しました。

また、私個人は、原発事故の影響があまりにも大きいこと、核燃料廃棄物の問題が解決していないことを考えると、原発再稼働は最小限に抑え、原発に依存しない社会を一年でも早くつくるべきと考えています。本質的には、原子力というエネルギーをコントロール可能と考えるのは人間の「傲慢」ではないかとも思っています。

なお、この意見書は自民、県民会議による賛成多数で可決されました。反対したのは公明のほか、民進、共産、改革の会でした。

 

今日から12月県議会が始まりました

一般質問の原稿執筆に頑張る権守(手前)、福永の両議員

今日4日から県議会12月定例会が始まりました。会期は22日(金)までです。

初日の今日は本会議に議案が提出され、知事から説明があった程度で散開。午後は、会派で議案についての説明を受け、疑問点等を確認する作業をしています。この後は、火水木の議案審査日ののち、金曜日から本会議一般質問。福永議員と権守議員が登壇予定で質問原稿執筆に最後の追い込みです。

本当に早いもので、もう12月。あとひと月で今年も終わり。何があるか予断を許しませんが、本年最後の議会をしっかり頑張って、晴れ晴れしい新年を迎えたいものです。

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