人口3.5万人の街に100カ所のグループホーム!

人口3.5万人の街に100カ所のグループホーム!

 かねてから一度行きたいと思っていた北海道伊達市に会派の同僚と視察に行ってきました。札幌から特急で1時間半ほど。室蘭のちょっと先に伊達市は位置していて、北海道にしては雪が少なく、温暖で「北海道の湘南」と呼ばれているそうです。

 この人口3万5千人ほどの伊達市は、街で暮らす知的障害者がとても多いことで知られています。なんと、障害者のグループホームが約100カ所あり、5百数十人の知的障害者が地域で生活しています。

 障害者福祉が始まったばかりの頃は、知的障害者は入所施設にいることが幸せと思われた時もありましたが、現在はできるだけ障害者も施設を出て街で普通に暮らすことを目指すようになっています。その最先端をいく街の一つが伊達市なのです。

 伊達市の障害者福祉を進めた北海道社会福祉事業団の前原さんに貴重なお話を伺いました。もともとは大規模なコロニー(入所施設)「太陽の園」としてスタートしたのですが、昭和48年に一般就労を目指した通勤寮を開設、市内の事業者さんに理解を得ながら、街で仕事をし、生活する知的障害者がだんだん増えていきます。

 平成18年には、北海道の外郭団体だった事業団が分離独立。職員の給料は3割減となったそうですが、今は道からの補助金なしで自立した経営が可能になったそうです。

 前原さんのお話で、「施設というのはアブノーマルな場」「自分から施設に入りたいという人はいない」「住むところを街につくらなければいけない」等々の言葉が印象に残っています。

 もちろん、埼玉県も障害者の地域移行を目指していますが、道はいまだ半ば。先進地の良いところを学びつつ、障害者もそうでない人も街でふつうに暮らせる地域社会を目指したいと思います。

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